2015年に長野県上田市東山地区にワイン用ブドウの定植を開始。2017年から櫻山さんもワイン造りに合流して、2023年にワイナリー竣工。
千曲川ワインアカデミー倶楽部では2022年に中川さんと櫻山さんの紹介記事を掲載しました。それから3年の月日が流れ、改めて2025年夏にお二人を訪問。ワイナリーの設計でこだわったところ、次にリリースするワインやこれからの展望についてお話を伺いました。
Vol.25 中川 裕次さん 櫻山 記子さん

ワイナリーの設計でこだわったところ
第一に、ワイナリーは東山のブドウ畑を一望できるところに建てたかった。設計の面では、天井を高くしてグラヴィティフローを可能にしたり、冷蔵庫や試飲スペースを設置したりすることにこだわったそうです。
「グラヴィティコントロールでやりたいということで、ポンプは使わないで、重力を利用してワイン造りをしたいな、ということにこだわっています。」と、中川さんはワイン造りに懸ける想いを丁寧にお話ししてくださいました。
グラヴィティフローにポイントを置く理由は、これまで委託醸造でVeraison-Noteのワインを手掛けてくれていた生産者がそのような造り方をしていたので、同じようにやりたかったとのこと。ブドウになるべく負荷をかけないやり方なので、優しい味わいのワインになるそうです。
また、2階の試飲ルームでは櫻山さんが日本ソムリエ協会のブロンズクラスを開催して、ワインの裾野を広げる活動をしています。地元の方が「上田はワイン」と思ってもらえるよう努めているそうです。


Veraison-Noteのワインスタイル
Veraison-Noteで最初から取り組んでいるのは、殺虫剤、除草剤、除草剤など化学農薬を使わないブドウ栽培。これからもできるだけノンケミカルでやっていきたいとお2人は考えています。
「うちの特徴として、赤ワインにこだわってブドウ栽培、ワイン造りをやっていますけど、ネッビオーロのワインを造りたいというところから始まっています。ネッビオーロと、あとカベルネ・ソーヴィニヨン、これがメインの品種になります。長熟できるようなエレガントなワインを目指してやっています。」と、Veraison-Noteを立ち上げた頃のことを想い出しながら中川さんは語ってくださいました。

新ブランド「フルーツ・ポンチ」
中川さんと櫻山さんは、ネッビオーロなどのエレガントな赤ワインがメインのVeraison-Noteに加えて、フルーティでポップなラインナップの新しいブランド「フルーツポンチ」を立ち上げることを決めたそうです。
「Veraison-Noteブランドとは別のブランドを作ることにしまして。フルーツポンチっていうんですけど。」と、嬉しそうに櫻山さんがお話ししてくださいました。
さまざまなフルーツが一緒になり、楽しくフルーティな味わいのフルーツポンチのようなワインを造っていくとのこと。これから2つのブランドで切磋琢磨していきたいそうです。どちらのブランドも自然酵母、無濾過、無清澄、無補糖、無補酸を基本としています。
フルーツポンチはカジュアルなお値段で、可愛いイラストのエチケットになる予定。品種はサンジョベーゼ、カベルネ・フラン、シラー、バルベーラ、将来的にはガメイやピノ・ノワールなど。2025年内にリリースを目指しています。
中川さんと櫻山さんがワイナリーを竣工してから来期で3年目。永久醸造免許を取得し、特区を外し、さまざまな制約を外した中でのワインづくりをしていくとお2人とも意気込んでいます。

これから発売するワイン
~Veraison-Note~
♦Experieice 2023
ヴェレゾンノートのフラッグシップワイン。ネッビオーロとカベルネ・ソーヴィニヨンの混醸。Experienceとしては初めて自家醸造。2025年夏 リリース予定。
♦2024ヴィンテージのナチュラルシードルやその他の泡。2025年秋リリース予定。
♦2023ヴィンテージのネッビオーロと東山カベルネ・ソーヴィニヨン。2025年冬 リリース予定。
~フルーツポンチ~
♦各種 2025年冬 リリース予定。
中川 裕次
千曲川ワインアカデミー2期生。2015年 上田市東山地区にワイン用ブドウの定植を開始。2017年から櫻山さんもワイン造りに合流して、2023年にワイナリー竣工。2025年春で自社畑は2.7ha。日本では珍しいブドウ品種であるネッビオーロの栽培に挑戦し、Veraison-Noteとしてエレガントで長熟の赤ワイン造りを目指す。2025年内に新ブランド「フルーツポンチ」を立ち上げる予定。