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Vol.12 星野 勇馬さん

アメリカで飲んだ赤ワインが忘れられない
アメリカで飲んだ赤ワインが忘れられない

東御市の日当たりの良い傾斜地に、星野勇馬さんの「Stardust Vineyard(スターダスト・ヴィンヤード)」はあります。ヴィンヤード名は、敬愛するミュージシャン「デヴィッド・ボウイ」の代表作に自分の名前を掛け合わせて命名したとのことですが、満天の星空のように輝くぶどうの房が実る畑になって欲しいという想いが込められています。

星野さんがワインに出会ったのは20年ほど前のことで、京都の病院で医師として勤務していたときのことでした。研究会に出席するため渡米した際、カリフォルニア・ナパバレーで飲んだ一杯の赤ワインに胸を揺さぶられたそうです。当時はワインに詳しくなかったため、それが何の品種だったか今となっては知るすべもありませんが、味わいだけでなく、作り手が醸し出す多様性や世界観のようなものに感銘を覚え、これが原点となり徐々にワインの世界へのめり込んでいきます。

東御市にヴィンヤードを構える
東御市にヴィンヤードを構える

「興味を持ったことは何でも自分でやってみないと気が済まない性分」と自分のことを表現する星野さんは2013年、医師業の傍ら、京都丹波ワインで2年間にわたりワインぶどう栽培の研修を受けます。その後、地元京都で圃場を探しましたが、耕作放棄地はあるものの、まとまった土地が見つからず悩んだ末、「よし、どうせやるなら可能な限りの適地でやろう」と日本有数のブドウ産地である長野への移住を決断します。

長野では、信州うえだファームの農業研修プログラム及び千曲川ワインアカデミー受講を経て就農。標高600mに位置するヴィンヤードで、メルロー、ピノ・ノワール、サンジョベーゼ、シャルドネなどを栽培しています。とくに上質な赤ワイン品種に力を入れていきたいとのことです。

医療サービスを通して地域への恩返し
医療サービスを通して地域への恩返し

ブドウ栽培に携わり始めて、医療との共通点があることが分かり驚いたと言います。ブドウも人も感染症など不調のサインがあり、それを早めに察知して、手をかける必要があります。この点において、何十年と医療現場で培ってきた経験が今に活きているのです。

ワイングロワーとしての人生を歩み始めたわけですが、同時に現役のお医者さんとして、夜間や休日には医療サービスを東信地区で提供しています。これは農地を貸してくれている地域の皆様への「お礼」の意味合いが込められており、星野さんならではの地域貢献と言えるでしょう。2足のわらじは体力的に大変なことですが、充実した日々を送っています。

ファーストヴィンテージに向けて初仕込み
ファーストヴィンテージに向けて初仕込み

何事にも妥協することなく果敢に取り組む姿勢が星野さんの強みですが、一方で際限ない農作業に完璧を求めてしまう傾向があり、バランスを取ることが今の自分にとって課題でもあると語ります。先輩ワイングロワーのアドバイスに真摯に耳を傾けながら、少しずつこの精神的な壁を克服していきたいとのことですが、このように謙虚に自分を見つめられるところも、星野さんの魅力の一つだと言えます。

この先、ここのテロワール、また自分の歩んできた道や人生を、ワインで表現していきたいと熱く語ります。じわっと染み渡るような旨みを感じられるワイン、そこに投影された作り手の生き様を感じてもらえる作品を、一生かけて高めていきたいとのことです。

先日、昔の職場の人たちが来園。「やはり嬉しいですね」と笑顔がこぼれる星野さん。
先日、昔の職場の人たちが来園。
「やはり嬉しいですね」と笑顔がこぼれる星野さん。

スターダスト・ヴィンヤードには、星空のように美しく輝くぶどうが実り始めています。来年リリースされるファーストヴィンテージの出来上がりをイメージしながら、星野さんの歩みは続きます。

取材日:2018年9月16日

<2019年6月18日 追記>
2019年にファーストヴィンテージ(赤900本、白600本)をリリースされました。

千曲川ワインアカデミー1期生。千葉県出身。京都丹波ワイン、信州うえだファームでの研修期間を経て東御市で就農。栽培品種はメルロー、ピノ・ノワール、サンジョベーゼ、シャルドネなど。ヴィンヤード名は「スターダスト・ヴィンヤード」。2019年にファーストヴィンテージをリリースする予定。現役の医師であり、医療サービス面からも地域に貢献している。

(取材/文 アグリマーケティング 田中 良介)

生産者ストーリー動画

スターダスト・ヴィンヤード MAP