ドメーヌ パスレルの高橋雄一郎さんは今年、山梨県北杜市の圃場(標高800~850m、1.5ha)にワインぶどうの定植を完了しました。完成したばかりのワイナリーで今年から自社醸造も開始します。2009年の就農から足掛け13年、独立したワイン生産者として新たなスタートです。
高橋さんの語り口はとても穏やか。しかしこれまでの経緯を伺うにつれ、最初の印象とは裏腹に自身のビジョン実現に向けて力強く行動する姿が見えてきました。
埼玉県秩父市出身の高橋さんが就農を意識したのは、大手電気機器メーカーのエンジニアとして東京の本社から山梨県甲府市に出向し、9年が経過した頃でした。豊かな自然環境のありがたさを感じながら日々を過ごす中、地球全体の環境が危機に面している状況を憂うようになりました。そんな中で「自分にできることは何か」を家族と一緒に考え、「食と農業」に行き着いたそうです。豊かな自然と共にある生活を次世代に繋いでいくため、就農を決意しました。