【アムルナイレポート】
サスティナブルな生活を4世代7人で!
児玉邸(東御市)児玉寧さん
【4世代7人が生活する家は国の登録有形文化財】
千曲川ワインアカデミー1期生の児玉俊一さんのご自宅は国の登録有形文化財「児玉家住宅」です。
明治26年の着工から129年、現存するすべての建物が完成した明治43年からでも112年を数える歴史的建造物で生活しています。
生活の場であるため常時公開はしていませんが、次男寧(ねい)さんによってリノベーションが進み、庭や土蔵、新たに完成したカフェスペースなどでワイン「児玉邸」を飲める催しが不定期に行われています。
家族は4世代7人。
俊一さんのお父様であり現当主の一彦さん(99歳)を筆頭に、最年少は4歳の女の子です。
一彦さんは東京で現役時代を全うしてからのUターンでしたが、他は全員、東御以外が生地の「移住者」です。
オーストラリアやドイツで大道芸を生業としていた寧さんが、ドイツ生まれのご夫人アネマリーさんと二人のお嬢さんとともに2018年に合流し、一気に賑やかになりました。
【ワインぶどうは有機栽培に切り替え】
「児玉邸」ブランドのワインは、俊一さんが2014年からぶどう栽培を開始、ファーストヴィンテージは2016年でした。
現在ワインぶどうの栽培は寧さんを中心に、家族全員で行っています。
2020年にはワインぶどうを有機栽培に切り替え、同時にメルローだけだった畑にシャルドネも定植しました。
すぐ近くの畑では、ボルドー液だけを使用した「たねあり」シャインマスカットをはじめ、野菜やお米もオーガニックな農法で作っています。
アネマリーさんのふるさとドイツには自然の力を大切に考える国民性が定着しているそうで、自然豊かな場所で生活していた寧さん一家の想いもワインづくりに反映されています。
ワイン「児玉邸」のエチケットには児玉家の象徴である屋号紋が使われています。
「お醤油みたいでしょ」と俊一さんは笑いますが、児玉家の歴史や家族の想いがこもったデザインです。
【昔ながらのていねいな生活=コミュニティづくり】
ワインのみならず、児玉家の生活に貫かれているテーマは「便利に甘えず、昔ながらの手作り、ていねいな生活」です。
今ある生活圏の中でできる範囲の自給自足を目指し、安心・安全で豊かな生活を築こうとしています。
それは同時に地域の人々とのつながりを大切にすることでもあり、コミュニティづくりも大切にしています。
その活動の一つとして、4月29日~5月5日には「児玉家住宅に集う陶芸展」を開催、29日と30日には東御市在住の二胡奏者である今井美樹さんの演奏会も同時開催しました。
陶芸展は一彦さんの趣味からのご縁で集まった陶芸作家の作品を母家前にある土蔵に展示しました。
一彦さん所蔵のものも併せ、見応えのある展示となりました。
また、母家の隣にある、かつては養蚕用の桑の葉を保管していた長屋を寧さんがリフォームし、来訪者のためのカフェスペースとしました。
ここでは自家製の米粉を使ったケーキや飲み物を提供、ワイン「児玉邸」の試飲や購入もできます。
母家の後方には独立した蚕室、さらにその背景には「児玉山」があります。
これらの所有地全体を見渡しながら寧さんは「今後このスペースを生かして人とのつながりを大切にして生活していきたい」と構想を膨らませています。
そんな寧さん一家のことを俊一さんはご自身も楽しんでいるようで、生き生きとした写真とともに「児玉邸通信」で発信しています。
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(蚕室から母屋を臨む)
6月4日(土)、児玉さん宅の庭で前出の今井美樹さん、シンガーソングライターの千葉順平さんによる「いのちこだまするコンサート」を開催しました。
寧さんも大道芸をご披露、中井怜美作品展「こだまにいたね」も蚕室2階で併催しました。
訪れた人は、「まず建物の素晴らしさに感動しました。その中で音楽と児玉さんのワインととても居心地のいい思いをしました。」「児玉一家の生活にも、ワインにも興味が湧きました。また訪れたいです。」と感想を話されました。
「児玉邸」の紹介とワイン等の販売サイト
https://ec.tsuku2.jp/shop/0000118117