【レポート】小諸のワインを有名フランス人シェフも評価
こもろ観光局のFAMトリップ2021
「小諸はフランスに似ている」と言われることがあります。その理由として挙げられるのは以下のようなことです。
気候:湿気が少ない
景観:糠地、御牧ヶ原台地など、山々を背景とした自然
食材:野菜・果物など質の高い農産物
フランスと言えばハイセンスなファッションや芸術の代名詞のように思う人も多いと思いますが、実際にはパリを除いて基本的に農業国なのです。
浅間山連邦の南斜面や御牧ヶ原台地は日当たりがよく、日照時間が長いこと、1日の寒暖の差が大きいことや土壌の豊かさなど、農作物の生産に適しています。
レタスやキャベツなどの高原野菜、ワイン用ぶどうやりんご、桃などのくだもの、ガレットの食材ともなるソバの生産も盛んで、多様で品質の良い農産物が生産されています。
2021年度にこもろ観光局が進めてきたのは、フランスからの観光客を迎えるための準備と在日のフランス人を対象とした観光の開発です。
前述の自然環境に加え、日本唯一の穴城である小諸城址懐古園や、北国街道沿いの江戸時代の建物も含む街並みといった歴史的建造物を観光資源としたインバウンド戦略です。
今年度はコロナ禍の隙間をとらえて3回のFamトリップを実施。
有名フレンチシェフ、フランス観光開発機構代表、旅行会社が小諸を実際に訪れました。
*Famトリップ=Familiarization Trip:観光集客を目的として海外の旅行産業関係者やメディア関係者を対象とした招待旅行イベント
〈第一回〉7月
▷招へい者
・ドミニク・コルビ氏(フレンチ割烹シェフ、フランス農事功労賞シュバリエ受賞)
https://dominique-corby.com
https://foodion.net/interview/dominiquecorby/3?lang=ja(参考)
・椎津ニコラ氏(イメルジョン ジャポン:旅行およびワイン輸出入会社)
▷試飲されたワインの生産者
・テールドシエル(ワイナリー)、マンズワイン小諸ワイナリー、アンワイナリー、ジオヒルズ(ワイナリー)
▷主な訪問先
・浅間のかおり(直売所)、菖蒲庵(そば)、中吉(和食)、音羽(和食)、彩本堂(珈琲)
・ジオヒルズ、マンズワイン小諸ワイナリー、テールドシエル
・脇本陣の宿粂屋(宿泊)、菱野温泉常盤館(宿泊)
・小諸城址懐古園、小山敬三美術館、布引観音、氷風穴、高峰高原など
〈第二回〉10月
▷招へい者
・フランス観光開発機構在日代表、副代表
▷試飲されたワインの生産者
・グランミュール、ミリボーテ、ドメーヌフジタ、テールドシエル
▷主な訪問先
・テールドシエル
・布引観音、糠地地区、小諸高原美術館
・脇本陣の宿粂屋(宿泊)
・常盤館(温泉旅館)、そばカフェ凱
・小諸城址懐古園、小山敬三美術館
・ろくもん乗車
〈第三回〉11月
▷招へい者
・阪急交通公社
・イメルション ジャポン
・(株)みやこLab(ロシア人スタッフ)
▷試飲されたワインの生産者
・アンワイナリー、ミリ ボーテ、グランミュール、ドメーヌ・フジタ
▷主な訪問先
・ジオヒルズ、布引いちご園、大池りんご園、富士屋味噌、天狗温泉浅間山荘(そば)
・菱野温泉薬師館、高峰高原ホテル、高峰マウンテンホテル(宿泊)
・小諸高原美術館、布引観音、懐古園、小山敬三美術館
・脇本陣の宿粂屋
・ろくもん乗車
今回のFamトリップのコーディネーターはミルジョワプランニング佐藤美恵子さん。
約1年のフランス留学と50回以上のフランス訪問経験があり、首都圏においてフランスへの留学やワーキングホリデーのコーディネートをしています。
佐藤さんによると、「Famトリップに参加された皆さんが小諸の野菜を大絶賛、小諸のワインを期待以上だったと高く評価しています。特にシェフのコルビ氏はFamトリップ終了後に数回にわたって野菜の調達をこもろ観光局に依頼してきたくらいです。」また「フランスの富裕層は無農薬野菜やヴァン・ナチュール(自然派のワイン)にこだわりがあり、小諸の食はフランス人に自信を持ってご紹介することができます」と佐藤さん。
著名な昆虫写真家である海野和男氏は1年の1/3を小諸、1/3を海外、1/3を東京で生活し、昆虫写真を撮影、発信しています。
海野氏はNHK番組中のインタビューで「小諸はファーブルが生きた南仏プロヴァンスと気候や自然体系がよく似ているんです。」と言っています。
佐藤さんが小諸に興味を持ったのも、海野氏のこのコメントがきっかけだったそうです。
3回のFamトリップ後の昨年12月には小泉小諸市長と花岡観光局理事長がフランス大使を訪問したことにより、フランス側の小諸観光への興味は更に高まっています。
今後の「withコロナ」の課題をクリアしながらの展開が期待されます。