【生産者紹介】豊かなテロワール、東山で自然派ワインづくり
Sail the Ship Vineyard 田口航さん(上田市)
印象的なエチケットMr.Feelgoodが好評のSail the Ship Vineyard田口航さんは千曲川ワインアカデミー1期生、今年4年目のワインリリースを予定しています。
今年のリリースはMr.Feelgood2021ヴィンテージ4種類です。
混醸の赤、混醸の白、ブドウが特に良かった東山圃場のぶどうのみを使った赤(カベルネ・フラン+カベルネ・ソーヴィニヨン)、そしてソーヴィニヨン・ブラン100%の白。
今年は4種類の合計が5,500本になる予定です。
〈自然派のワインづくり〉
田口さんは今年の醸造を南向醸造で行いました。
上伊那郡中川村に昨年2021年に設立した自然派ワインの仲間、曽我暢有さんのワイナリーです。
田口さんも曽我さんも、山梨で持続的農業を実践している小山田幸紀さんのドメーヌオヤマダの農業、そしてワインづくりに共感し、栽培や収穫、醸造に通って学んでいます。
田口さんのワインも自然派です。
土や虫、微生物を大切にし除草剤や化学合成農薬は使わずに栽培、自然酵母で発酵することで、ぶどうの力が引き出されたワインづくりを目指しています。
田口さんは日本酒の酒蔵でも2年間醸造を体験、今年はマンズワイン小諸工場で醸造の仕事を手伝いながら学んで3年目になります。
たくさんの経験と研究を蓄積して来年2023年のワイナリー設立を目指しています。
・南向醸造合同会社関連サイト:https://utsukushii-mura.jp/interview/ここにしかない、この土地の味わいを映すワイン/
・ドメーヌオヤマダ関連サイト:https://cercle-store.jp/?mode=grp&gid=2329021&sort=p
2015年に1期生として千曲川ワインアカデミーを受講、同時にヴィラデストワイナリーの小西社長のすすめでJAうえだファームのワインぶどう班として2年間研修。
翌年2016年に上田市の塩田平東山地区に定植をスタートしました。
東山は標高約550m、マンズワイン小諸工場が1994年からぶどう栽培をしていることでも知られています。
この土地は500万年前までは海底、長い年月をかけて隆起したものです。
密度が高い粘土質に砂が混じり複雑な土壌で水捌けも良く力強いぶどうができ、凝縮した味のワインとなります。
初リリースは2019年、Gokigen!2018赤、白合計900本。
2021年はMr.Feelgood 2020赤・白に加え初めてカベルネ・フラン単品種「keshiki」をリリース、合計2,700本に増えました。
Mr.Feelgood2020ヴィンテージは混醸、赤・白とも好評で、すでに完売しています。
〈混醸の割合〉
赤:メルロー76%、カベルネ・ソーヴィニヨン13%、シラー5%、サンジョヴェーゼ5%、その他1%
白:シャルドネ53%、ソーヴィニヨン・ブラン42%、ロモランタン3%、その他2%
カベルネ・フラン、シラー、ロモランタンなど好きな品種はありますが、醸造は単品種へのこだわりはなく、「ワインとして一つにまとまっていることが大事。今後混醸の割合は狙っていきたい」と田口さん。
2021年は東山で最も期待しているカベルネ・フラン100%の「keshiki」をリリースしました。
「ケシキ」は「景色」であり、「気色」でもあります。
圃場のある東山の景色と未来に向けての田口さんの心持ちを込めた1本です。
〈卸と直販、プロモーション〉
これまでは全国および地元の酒販店30店への卸が約60%、レストランと自社サイトでの直販が残り40%です。
田口さんの意向はナチュラルワインを扱っている信頼できる酒販店への卸とレストランへの直販が販売のベースです。
千葉県から移住した田口さん、昨年までに3回、ふるさとの市川市妙典でワイン会を開催しています。
また移住先の信州では温泉、山、釣りなど自然を満喫する一方、地元上田市丸子町で地元の農業青年たちと地域の農業を盛り上げる活動「HEARTBEATまるこ」に積極的に参加しています。
田口さんのワインやワインづくりは多くの雑誌で紹介されています。
BRUTUS(特別編集「長野県の大正解」)、 WINART(2021秋号) 、FIGARO(2020,9月号)、HERS(2021春号)、GLOW(2021,1月号)、PEN(2021,12月号)。
いずれもレストランのオーナーやワイン専門家などからの推薦がきっかけで、自然派ワインの作り手として取り上げられています。
WINART秋号には、前述の曽我さん、小山田さんも紹介されています。
Sail the Ship VineyardのHP:http://sailtheship.rocks