【レポート】メルシャン椀子ワイナリーで「春のマルシェ」
感染予防策を練って5/29(土) 開催
昨年来のコロナ禍で、人気のあるワインイベントは、飲食が伴うこともあり、ことごとく中止を余儀なくされてきました。
メルシャン椀子(まりこ)ワイナリーが開業したのが2019年9月。
翌10月にマンズワイナリー小諸ワイナリーの『収穫祭』と同日2日間の『椀子マルシェ』を開催しました。
昨年はコロナ禍で、主だったイベントはできず、それ以降本格的イベントを行うのは今回の「春のマルシェ」が初めてです。
当日は天気に恵まれ、10時のオープン前から来場者は集まり、キッチンカーを中心に、8軒の地元で人気の飲食店が出店していました。
キッチンカーは、ワインとともに楽しめるバラエティーに富んだメニューを用意していました。
〈セールザシップヴィンヤード〉の田口航さんが所属する、『ハートビートまるこ』もオリジナルメニューの「寿司ブリトー」を販売していました。
来場者は、周辺地域からが多い印象でしたが、埼玉県から電車とバスを乗り継いできたカップルは、メルシャンのワイナリーの中で、椀子だけが訪問してなかったので、今回参加したそうです。
東御市からのご夫婦は、大屋駅からワイナリーまで、約4kmの上りを歩いてきたとのこと。
ワインイベントの常連たちは、楽しみ方も十分心得ている様子でした。
上田からの女性2人組は、ご主人に送り迎えをお願いしているとのことでした。
地元や佐久市からきた子ども連れの家族は「前から一度来たかったんです」「子供とのリクリエーションを兼ねてきました」と食事をしたり、ヤギと遊んだりして過ごしていました。
また、上田市土屋市長もキッチンカーの食事を味わいながら、来場者と会話を楽しんでいました。
景色・食事・ワイン・・・参加者一人ひとりが、思い思いに週末を過ごす場になっていたのが印象的でした。
入り口で、メルシャンオリジナルの「割れないグラス」を購入すると、ワインまたはノンアルコールスパークリングワインを、3種類の中から選んで飲むことができました。
グラスはお持ち帰りのため、ゴミも洗い物も出ません。
ワイナリー2階では、販売中の「椀子シャルドネ2019」や「椀子ヴィンヤード最高級ワイン〈オムニス〉のファーストヴィンテージ」などの販売がありました。
同時開催していたワイナリーツアーでは、新芽が出始めているメルローの畑で、小林弘憲ワイナリー長のレクチャーを受けたり、外からワイナリーを見学したり、充実した時間を過ごしていました。
また上田市役所職員有志は、上田市の財産活用の研修で参加し、青空の下ぶどう畑でキリンホールディングスの社員から、キリングループが取り組むCSV(Creating Shared Value)の取り組みなどについて、レクチャーを受けていました。
大自然の中で、ワインを楽しむイベントの光景はやはり格別です。
県内の感染は多少おさまっているとは言え、チラシの配布はなく、地元紙だけの告知とインスタグラムだけのPRだったそうです。
「たくさんの人に来てほしい」「でも密になってはいけない」そんな難しい状況下での、ギリギリの開催だったことがうかがえます。
受付では感染防止策として、来場者全員の記名と体温測定が行われました。
椀子ワイナリーとしては、「今回のような春のマルシェに続き、状況が許せば夏のマルシェ、秋のマルシェを開催できればうれしい」とスタッフは語ってくれました。
椀子ワイナリーは2019年9月開業しましたが、直後の10月に千曲川流域を襲った台風19号による甚大な被害や、昨年来のコロナ禍と厳しい状況が続いています。
2020年せっかく世界最高のワイナリーを選ぶ「World's Best Vineyards」で世界30位&ベストアジアに選出されたにもかかわらず、なかなか思い切ったプロモーションが打てないのは、ワイナリーにとっても、地域住民、日本ワインファンにとっても大変残念なことです。
以下が2020年にメルシャン社が受賞したものです。
▷ワイナリー&ヴィンヤード:世界のワイナリーを対象にした「訪問することを薦めるワイナリー」として、製品の品質だけでなく、ワイナリーの受け入れ態勢や景観・環境、建築物、製品づくりの思想などを総合的に判断した「World's Best Vineyards」30位のランキングは、ワインツーリズムにおける競争力としても、高く評価されています。
▷ワイン:シタデル・デュ・ヴァンというボルドーの国際ワインコンクールで椀子シャルドネ2018が金賞を受賞。
▷醸造:日本ワイナリーアワードで全国235場を対象中、シャトー・メルシャンが5つ星を獲得。3つのワイナリー(勝沼、桔梗ヶ原、椀子)が産地の個性を生かしたワインづくりをしていることが評価されました。