【生産者紹介】冷涼な立科町で今年は5回目のリリース
いざわの畑―伊澤貴久さん
立科町茂田井にある伊澤さんの畑に到着、まず垣根式ぶどう畑の美しさに感動。
「タテもヨコも間隔がぴったりそろっていますね」と言うと「ナナメにもそろっていますよ」と伊澤さんはこともなげにおっしゃいました。
きれいに植えられている畑は、景観が良いだけでなく作業効率も良いのだそうです。
千曲川ワインアカデミー1期生伊澤貴久さんのぶどう畑「いざわの畑」は、立科町茂田井地区にあります。
ワインの名前はCoteau des Chevrettes(コトー・デ・シェヴレット)「子山羊の丘」の意味です。
これは除草やその糞が堆肥の材料にもなっている2匹の相棒たちから名付けました。
コトー・デ・シェヴレットの初リリースは2017年。
4年目となる2020年は5銘柄を発売しました。
白:ソーヴィニヨンブラン2019、シャルドネ2019、赤:カベルネ ルージュ ウニク2018、カベルネフラン ジュン2019、タテシナ ルージュ ギャルソン2019。
5月末時点で販売中は昨年末にリリースしたギャルソンのみ、その他は完売していますが、立科町や軽井沢のリゾートホテル、近隣のレストランで飲めるそうです。
また取扱いのある長野県内外の酒店は以下のサイトに掲載されていますので、在庫があれば購入できます。
販売サイト:https://izawafield.shop-pro.jp
ワインの販売先は7割弱が直販、残り3割強が酒販店向けの出荷です。
直販のうち5割弱が個人、昔からの知人や友人による紹介、地元の方々、それに日本ワイン、長野ワインの愛好家の方がリピーターとなって購入しているそうです。
酒販店は販売量が増えた昨年2020年に取引先を少し広げて約20店(東信地区の酒屋が半分、長野県が約8割)です。
ワインづくりは伊澤さん一人でやっているため営業に時間をかけられず、酒店と一部の地元ホテル・レストラン以外、多くはクチコミと紹介によって販売されているそうです。
「いざわの畑のワインを気に入っていただけて、自分の料理に合うと思ってくれるレストランが増えればいいと思っています」と伊澤さん。
自然に恵まれた立科は、長い日照時間、昼夜の温度差、そしてミネラルに富んだ強粘土質によって、お米、りんご、野菜など美味しい食材が豊富です。
長い流通を経て口に入るのとは全然ちがう、本当の美味しさを自分の友人知人を含む東京の人たちにも体験してもらいたいと伊澤さんは言います。
伊澤さんのワインづくりは地元の食材に寄り添うことを大切にしています。
「ワインも料理もぜひ立科に来て味わって欲しい。」
ワイン造りについて伊澤さんは、「立科町は晴天が多く、冷涼で夜温が下がるため、糖度が上がりながらも酸が抜けにくく良質なぶどうが採れます。ワイン造りは良いぶどうを収穫すること。ぶどうをしっかり熟させてから、畑で丁寧に選果してできるだけ良い状態で仕込むことを心がけています。あとはそのぶどうの良さをしっかり引き出すことで、酸と果実味それにミネラル感などのバランスの取れた味わい深いワインになります。」
「たてしな」の表記について混乱している方も多いようですが、の二つ漢字があります。
「蓼科」は山や高原の名前に(蓼科山、蓼科高原)、「立科」は町名です(立科町)。
立科町は中程にくびれがあるひょうたんのような形をして(くびれの部分は53.3mしかありません)二つの地域に分かれています。
八ヶ岳連峰の北端にある蓼科山がある「高原エリア」と旧中山道の宿場町の面影が残る歴史と文化の「里エリア」です。
またその歴史が室町時代まで遡ることができる蓼科高原温泉は湯治場として親しまれ、著名企業の保養施設や芸術家や文人をはじめとする別荘地となりました。
ゴルフコース、スポーツ・レジャー施設、ペンション等の宿泊施設を擁する、長野県では軽井沢に次ぐ高原リゾートです。
千曲川、しなの鉄道から離れているためか、東御市や小諸市のようなワイナリーツーリズムはまだこれからという段階です。
ワイナリーが1件、生産者が約10件あり、今後の展開が楽しみな地域といえます。
昨年は地元でのイベント「ノミ蔵べ」が開催されましたが、その後コロナ禍で滞っていました。
今月は地元ホテルでワイン会が開催されます。これからも新型コロナ感染に配慮しながら地元や東京のお客さんに食とワインと景観の魅力を知ってもらう活動を継続していくとのことでした。
ワイン関係者からも高評価のコトー・デ・シェヴレット、伊澤さんのワイナリー建設が気になるところです。
現在あらゆる可能性を模索中とのこと。「ゆっくり発酵・熟成して複雑味の出るワインが作りたい」と抱負を語ってくれました。
間もなくソーヴィニヨンブラン2020、秋にはシャルドネ、カベルネフランのリリースを予定しています。
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Facebook:https://www.facebook.com/izawafield
ネットショップ:https://izawafield.shop-pro.jp