【生産者紹介】広大な御堂の畑で奮闘中!【ヨネファーム東御】米倉利典さん
今年秋に自社ぶどうのワインを初リリースします
信州の山を360度見渡せる、東御市の「御堂ワインブドウ団地」に米倉さんを訪ねました。
4月中旬のこの日も晴天でしたが、すばらしい景色とは裏腹に、強風で体温が奪われる感じでした。
5段で構成される御堂の圃場のうち、1段目と2段目に約4haの米倉さんのヴィンヤードがあります。
1段目の畑の標高は約760m。
冬季は、防寒と風除けのため、苗木にピンク色のグローチューブを設置しています。
一見すると、ムーミンに登場するニョロニョロの畑のようです。
米倉さんは、【ヨネファーム東御】の他に、『トロワジエーム』ブランドを運営されています。
『トロワジエーム』は、フランス語で「第3の」という意味で、千曲川ワインアカデミー3期生が作るシードルやワインを販売するブランドです。
ワインアカデミー在学中の2017年、雹害に見舞われた大量のリンゴを目の当たりにして、このリンゴの有効活用をと考え、3期生11人全員の合意のもとにシードルを委託醸造したことが始まりです。
その後も毎年シードルやワインを醸造しています。
2021年4月にリリースしたペティアンは、微発泡のワインです。
グリーンの3本線が印象的なエチケットです。
東御市産のシャルドネとピノノワールを、無添加、無清澄、無濾過で仕込んだ、口当たり優しくピュアな果実味が魅力です。
醸造は、自然派ワインのつくり手として経験豊富な、須賀貴大(たかひろ)さんが醸造長を務めるツイヂラボで行いました。
詳細:https://troisieme.stores.jp/items/60445265c19c453805e879ae
シードルは、現在、750mlのフジシードルと、500mlのシナノリップシードル(すっきり辛口のドライと余韻に甘みが優しいセミドライの2種)を販売中です。
トロワジエームブランドの活動は、ワインづくりを目指すワインアカデミー3期生メンバーが、醸造経験の蓄積、販売ルートの開拓など、1回でも多く実績を積み上げ、将来のワインづくりやワイナリー経営実現に近づけるように活動を続けています。
2017年以降毎年シードルやワインを製造しています。
ワインづくりは、植栽後から数年間はブドウの収穫は見込めないため、事業開始当初は、植栽規模に見合う売り上げが立ちません。
醸造経験がないと、ワイナリーを経営するために必要な醸造免許を取得することは難しいのです。
ワインづくりは、ブドウを育てて、収穫し、絞って発酵させればできると考えがちです。
しかし事業を成り立たせるためには、想像以上に時間とお金が必要とのことで、米倉さんも試行錯誤を繰り返して取り組んでいます。
米倉さんがワインづくりを目指すきっかけは、学生時代まで遡ります。
大学生の時、ワインに詳しい先輩の手ほどきでワインの魅力を知ったことが始まりでした。
35年以上ワイン(だけでなく色々なお酒)を楽しみつつ、企業人生活25年を経て、2015年にワインバー&ワインショップを立ち上げました。
並行してワインづくりを模索していたところ、「千曲川ワインアカデミー」と「信州うえだファームの研修制度」を知ることになりました。
そのタイミングでお店を閉め、本格的にワインづくりを目指すことになったのだそうです。
現在、代表的な欧州系品種を栽培しています。
- 白:シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、リースリング、ヴィオニエ、 ルーサンヌ
- 赤:メルロー、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、プティヴェルド、 ピノノワール、シラー、ムールヴェードル
米倉さんは、フランス、イタリア、スペイン、カリフォルニア、ニュージーランドなどを旅し、各地でワインを楽しみ学んできたそうです。
同じ欧州品種でも、地域によってまったく異なる味わいがあり、それぞれの良さがあることを体験してきました。
世界中で造られている欧州系品種を東御という地でつくり、「それぞれの品種の個性に、東御ならではの特性を引き出すワインづくり」を目指しています。
もうひとつ米倉さんが目標としているのは、「持続可能なワインづくり」です。
微生物を活用した畑づくりや減農薬農法。そして効率的なワイナリー運営、お客さまが選べる販売体制などを実行し、長くワインづくりを続けられる、次世代も視野に入れた事業体制の確立を目指しています。
実現に向けた具体的な取り組みを考え始めているとのことで、これから何が始まるか楽しみです。
いよいよ今年は、【ヨネファーム東御】自社金井ヴィンヤードのワインがリリースされます。
そして来年には、この御堂ヴィンヤードでもブドウの収穫を予定しています。
既に開設しているオンラインショップでワイン、シードルなど購入することができます。
troisième WINESオンラインショップ:https://troisieme.stores.jp/
トロワジエームブランドの商品や自社ブランドの商品を販売するにあたり、米倉さんは新規就農した2019年から、ファンベースのプロモーションをスタートさせています。
「ヨネファーム東御ワインクラブ」は、「クラブメンバー」と「フィールドオーナーメンバー」の2つのコースがあり、会費分のワインが頒布されるなど、様々な特典が用意されています。
フィールドオーナーになると、畑の一部を所有し、メンバー自身の銘柄のワインを造ることができます。
「ヨネファーム東御ワインクラブ」の詳細や日頃の活動は、各種SNSで紹介されています。
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