【生産者紹介】目指すはボルドー系ワイン
J‘s Vineyard 酒井淳基さん(上田市、アカデミー2期生)
今年初収穫、醸造を予定している酒井淳基さんの畑を訪ねました。
東御市の温泉施設「湯楽里館」からほど近いところに酒井さんの畑はあります。
「実は昨年初収穫の予定だったんです。全部食われちゃって」と植栽5年目の今年が初収穫、初醸造になる事情を話してくれました。
敵はハクビシンやタヌキらしい、そのため今年は防除網を巡らす予定だそうです。
長野市出身の32歳、酒井さんは飲食店勤務からワインの魅力に接し、自分で作りたいと思い立ったタイミングで、テレビで信州うえだファームの事業を知り、応募しました。
信州うえだファームは、JA信州うえだの子会社で、地域の農業を守るため2000年に設立され、農家の高齢化に伴う担い手不足、耕作放棄地の増加などの問題に取り組んでいます。
信州うえだファームHP:https://shinshuueda-farm.com/index.html
酒井さんも就農するまでの2年間は正規雇用で農業経営や実際の栽培を学びました。
2年目に現在の土地を10年契約で賃貸、ワイン用ぶどうとブロッコリーの栽培をスタートしました。
2年間の研修を終え、3年前の2018年に就農、現在は約2haの畑を管理しています。
酒井さんの畑も耕作放棄地だった所で、大手ワイナリーの契約農家だったらしいとのことです。
(上田市農業支援センターの看板の裏はJ‘s Vineyardの看板です。)
標高約700m、強粘土質、メルローやシャルドネに適した圃場です。
南斜面にあるため、蓼科山~北アルプスが一望できる景観の美しい場所です。
現在栽培している品種はメルロー、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、プチヴェルドなど、土地にあっているソーヴィニヨンブランも植える予定だそうです。
酒井さんの好みはボルドー系の重めのワイン。
メルローにカベルネフラン、プチヴェルドをアッサンブラージュして「ぼくの味」を作っていきたいそうです。
ワイナリー建設に関してはまだ白紙で、「5〜10年はブドウ作りに専念して、委託醸造で経営が成り立つようトライします」。
リリース後は、都内のレストランや酒店での取扱いを検討していて、その後名古屋、大阪などの大都市圏に販路を広げていく計画です。
「ファンになってくれた人が畑のある上田に来て、景色や美味しいものなどを楽しんでもらいたい」そうです。
酒井さんが作っているブロッコリーの収穫は年2回、6月後半〜7月、9月後半〜10月です。
ワインで収益が上がるまでの間の収入源となります。
酒井さんのワインを求める人たちは、この景色を見ながら、手塩にかけたワインとブロッコリー、そして地元の素材を活かしたお料理でおしゃべりをして、酒井さんのファンになるに違いありません。
つくり手と飲み手がいっしょに楽しむ光景が目に浮かびます。