「地元のワイン飲もうよ!TOMI WINE CHAPEL」
千曲川ワインバレー東地区のワインと情報が集まるビストロ&ワインショップ
NAGANOワインが好きで東御市を訪ねた人の多くは、しなの鉄道田中駅から徒歩5分の、『東御ワインチャペル』に立ち寄っているのではないでしょうか。
タイトルのメッセージ「地元のワイン飲もうよ!」を発信し続け実践している、『東御ワインチャペル』のシニアソムリエ石原浩子さんにお話を聞きました。
■千曲川ワインバレーのワインはこの人に聞く
さまざまな方面から千曲川ワインについて問い合わせが入ると、ワイン関係者は石原さんを指名することが多いと聞きます。
世界のワインのみならず、千曲川ワインにも造詣が深いシニアソムリエの石原さんに、ワイン選択のアドバイスや配送手配などの依頼が多いのです。
日頃から生産者とのコミュニケーションを大切にされる石原さんに、ワインバレーの生産者の信頼は厚く、つぎつぎとワインや情報が持ち込まれます。
「地域全体が盛り上がることが大事ですから」と、玉村豊男さんが期待したワインポータルの役割を、石原さんは立派に果たしておられます。
石原さんが関わった、最近の関連イベント等は下記の通りです。
- ・赤坂迎賓館ガーデンカフェ:2020年12月クリスマス時の特別企画「聖なる夜の千曲川ワイン」ワインのチョイスを依頼され、ガーデンカフェで提供されたワインの手配を請け負いました。
- ・『THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田』:2021年3月16日御代田町に開業するグラン・オーベルジュのワイン担当者に、千曲川ワインバレー東地区の千曲川ワインを紹介。
- ・軽井沢プリンスホテルウエスト プリムローズ:昨年7月からスタートした、千曲川ワインのおすすめ「デギュスタシオンセット」ワインの提案をしています。
現在は第二弾シードル、白ワイン、赤ワインのセットが提供されています。 - ・軽井沢マリオットホテル:今春の「千曲川ワインフェア」の地元自然派ワインのチョイスをお手伝いしました。
■今の課題はワイン全体の需要を増やすこと
千曲川ワインバレー東地区では、現在ワイナリーが19軒、ヴィンヤードを持ち、委託醸造したワインをリリースしているワイングロワーを含めると、約60名がワインづくりに携わっています。
当然のことながらワイングロワー、飲食店のビジネスを、成り立たせていくことは最重要課題です。
それには県内外から多くの人が、ワイナリーや飲食店、酒店を訪問してワインが売れること、そして地元でワインを飲む人が増えることが重要です。
「イベントに人も集まっているし、ワインファンは増えているんじゃないの?」と言われますが、観光業界やワイン業界の関係者からはそう楽観できないという声が聞かれます。
「ワインファンが増えているというよりは、元々ワインが好きだった人が少し余計に飲むようになった程度じゃないか」というシビアな意見です。
石原さんも「イベントの集客は、ワインに興味あるいつもの仲間だけをターゲットにしているだけでは効果は薄い、より多くの人にワインの魅力を知ってもらわないといけない。」と言います。
『東御ワインチャペル』の会員制度「倶楽部Vin Vin Vin」では、来店時にワイン(海外産)が1杯無料になります。
しかも本人だけでなく同伴者も1杯無料です。
これが来店時毎回続く「太っ腹なサービス」(玉村豊男さん談)です。
ワインを飲むことへの敷居を低くするためだそうです。
「『1杯無料なら行ってみるか』となるでしょ、このご来店をきっかけに地元ワインに興味を持つ人が少しずつでも増えていく」と石原さん。
■ストーリー性のあるワインづくり
ブティックワイナリーや小規模のヴィンヤードが集積する千曲川ワインバレーは、移住者が多く、前職も金融パースン、医師、教師、現役のコンサルタントなどバラエティに富んでいます。それぞれの経験からワインづくりも個性豊かです。
海外にもファンが多く、ワインを軸にストーリーを展開する『神の雫』の原作者 亜樹直さんが、ワインチャペルを訪れた時の会話を紹介してくださいました。
『ほかのワイン産地と比べて、この地域は日本で一番おもしろい。そしてレベルが高い!』『生産者がそれぞれ自分の思いを込めて、つくりたいワインをつくっている。』
栽培されている品種が多く、ネッビオーロやピノ・ノワールのように育てるのが難しい品種も多く、《忘れられない》《思い入れのある》ワインづくりをしている人や、ビオデナミ農法(Biodynamie)の人もいます。
「そんなストーリー性のあるワインづくりが、チャームポイントなんです」「手抜きのない畑作業から生まれるワインに、造り手のストーリーが加わるため、それに共感する人たちは、どんどんファンになって行きます」と石原さん。
■ワインは学習する飲み物
「知識と経験によってワインの味わいが変わってくるし、楽しみ方が深まります。」そのことをとてもわかりやすい例えで話してくださいました。
ワイン界で最高水準とされる“ロマネコンティ”であっても、ワインを飲み始めたばかりの人だと「え、これがそんなに高いの?」で終わってしまうことがあります。
しかしワインの経験値を増やして、その歴史やつくり手のことを知ることで、発見や感動が得られるのです。
千曲川ワインも収穫年の気候のこと、標高とぶどう品種、醸造の仕方など、生産されたそれぞれのワインの特徴について知ることで、味わいも楽しみ方も変わってきます。
『東御ワインチャペル』のFacebookでは千曲川ワインのストーリーがていねいに紹介されていますので、ぜひご覧になってみてください。
ホームページ:https://winechapel.com
Facebook:https://www.facebook.com/tomiwinechapel/
■魂を揺さぶられるワイン
生産者の皆さんへのメッセージをとお願いすると、『美味しいワインはたくさん生まれていますが、《魂を揺さぶられるワインをつくって欲しい》。なかなか出会うことができないけれど、これまでにこの地域のワインにも存在したので、その出会いを楽しみにしています。そして〈ワインづくりのストーリーをいっしょにつくっていきましょう〉』と付け加えられました。
■ビストロ&ワインショップの『東御ワインチャペル』
店頭および通販の酒販免許をとったワインチャペルは、ワインの提供だけでなくワインの直販もしています。
そのメリットを大いに生かしたサービスが、いくつもあります。
- ・お弁当★BENTO★お弁当
TOMI=10味 牛スジカレー弁当、本日のパスタ弁当、チキンドリア弁当、が1個でも30分前のオーダーで購入できます - ・CHAPEL TO GO(テイクアウト)
チャペルオリジナル惣菜5品、冷凍惣菜2品、ドレッシングがあります - ・風土(テロワール)宅配便
現在は第3弾、「春のおすそ分け編」ワイン、チーズ、ジャム、ヴィラデストのポストカード
https://winechapel.com/テロワール宅配/
コロナ禍は、ワインチャペルにとっても大打撃だったようです。
ワインの直販、通販の免許を活かして、千曲川ワインの魅力をより強く発信するために、ウォークインワインセラーを店内に作りました。
地元ワインを中心に幅広くストックしています。
飲み手、つくり手、売り手の三方よしを徹底的に実践している『東御ワインチャペル』の石原さんご夫妻は、千曲川ワインバレーの生産者とワインファンにとって、大変心強い応援団です。