【グローワー紹介】初リリースしました
グランミュール 葡萄農園:川口聖さん(小諸市)
小諸市芝生田地域にある畑で川口さんが手にしているのが、今年9月リリースしたばかりのメルロー2019「晃葉(こうよう)」です。
アカデミー2期生の川口さんは、「ワインをつくりたい!」という強い意志と夢・希望を持って千曲川ワインバレーに集まる多くのグローワーとは、異なる経歴をたどっています。
今から5年前に都内の銀行を退社、のんびり人生を送ろうと考えていたそうです。
友人の誘いで、関東で農家の手伝いをして、小麦、米、枝豆づくりに関わっていました。
その友人が「ビールを作りたい」と一念発起、それを聞いて「俺だったらワインだなぁ」と埼玉のワイン特区を申請した方を訪ね、ワインづくりに初めて接しました。
千曲川ワインアカデミー時代、同級生に刺激され畑を探し、家を求め、今に至ります。 現在畑は小諸市内に3カ所。
魚料理など和食に合うワインぶどうを主に植えています。
シャルドネ700本、ピノグリ100本、甲州100本、シャスラ14本(!)そしてピノ・ノワール200本
ジビエなどガッツリ肉を食べるときに合うボルドーブレンド カベルネソーヴイニヨン50%、メルロー30%、カベルネフラン20%
近くの民泊の土地で、体験用に試験的に植えたものです。
8aにリースリング、ソーヴィニヨンブラン、ムールヴェルド、プチマンサンなど9種類。
今年の収穫でフィールドブレンド(混醸)を予定しています。
滝原地区にある「希望の畑」は浅間山の噴火で流される以前はお寺があった土地。
開墾時、小さな五輪塔や巨大な石がゴロゴロ出てきて苦労されたそうです。
まだ大きな石が畑内にたくさんあって、ぶどうの木の間が数メートル空いたところもあります。
滝原と芝生田の畑は、どちらも料理に合わせるワインがテーマになっていることがおわかりいただけると思います。
証券マン時代、転勤でヨーロッパとアメリカに約4年間滞在していました。
「ワインは食中酒です」、その時に体験したワインを食に合わせる習慣が、川口さんのワインづくりのベースになっています。
そこで川口さんが特に力を入れているのが「シャスラ(Chasselas)」あまり耳にすることのない品種です。
川口さん曰く
「酸味がまろやかで、桃とバターの香りがして、ニュートラルな味わいが寿司などの和食にも合う」。
それなのに日本であまり飲む機会がない理由は、ほぼ門外不出でスイスから輸出されないからのようです。
スイスを代表する白ワインの品種で、日常飲まれていますが、輸出は2%程度で、国内消費で終わってしまうとのこと。
苗の輸入もスイスからではなく、ドイツからで50本輸入したうち、検疫を通ったのが14本。
来年は60本新たに植えるメドが立ったそうです。
とても楽しみなのですが、シャスラは本場スイスでフォンデューに使われるワインで、川口さんのお友だちが経営するスイスレストランから、すでに注文が入っているとのこと。
私たちの口に入るのはいつなのでしょうか。
これらのワインに加えて川口さんが挑戦したいのがポワレ、梨の発泡酒です。
これも食を楽しむため。
親戚や友人知人と楽しむための必需品になりそうです。
最初にご紹介したグランミュール ファーストヴィンテージ、メルロー100%の「晃葉」2019はバランスが良く、タンニンも感じられて骨格がしっかりした仕上がりになっているそうです。
現在は市内の酒店、自宅店舗および通販での販売となっています。
1本 2,800円(税抜き)。
グランミュールHP: https://www.grain-mur.com