【レポート】《地元の人たちが盛り上げる、ワインのあるイベントふたつ》
こころに響く音楽&ワイン「二胡と世界の楽器で行く音楽の旅」&おんせんde マルシェwith とうみワイン
地方の一地域の住民の力でこんなイベントができるなんて!地域に潜んでいるパワーに感動した音楽&ワインのイベントでした。
メインのコンサートは、2020年11月22日日曜日午後2時から。
会場は東御市文化会館サンテラスホール。
東御市在住の二胡奏者今井美樹さんが発起人の「音楽とワインのコンサート実行委員会」主催、おらほ村のメンバーが力をあわせて作り上げました。
コンサートホールのエントランスには地域で手づくりするパン屋さん、お菓子屋さん、ワイングローワーのジュースなどの美味しいものやクラフトのお店に人だかりができていました。
同じく村の酒屋さん関酒店が出店し、とうみワインをグラス販売しました。
ヴィラデストワイナリー社長の小西超さんも売り手です。
音楽を楽しみに来た方がコンサートの前に、コンサート後にその余韻とともに地元のワインを味わい、「おすすめは?」「これは誰がつくっているの?」などと会話が交わされました。
演奏された楽器は、二胡(中国)、アルパ(パラグアイのハープ)、ケーナ(ペルーの笛)、ギター、ムビラ(ジンバブエの民族楽器)そして打楽器各種、なじみのない名前の楽器があります。
フォルクローレのメロディーはどこか懐かしく、穏やかなものでした。
「とても癒された、もっと聴いていたい」「感激してしまって・・・」、長野からきた女性は「二胡の音が聴きたくて来たけど、全部素敵でした」「木遣りよかったねぇ」と口ぐちに感想を聞かせてくれました。
花岡東御市長も「感動しました」とコメントされました。
演奏者はプロで活躍している方がたで今井美樹さんの音楽仲間、昨年アルカンヴィーニュで行われたコンサートですでに東御市を訪れていた方もいました。「大好きな東御、ワインの街でまた演奏できることが楽しみです」(ギター奏者稗田さん)
コンサート後半では、今井さんの師兄である世界的二胡ジョージ・ガオ氏巨大スクリーンに登場、ステージ上の演奏者と共演するというサプライズ企画もありました。
録画であってもその力強い演奏に感動したと語る人もいました。
※コンサートの様子は下記にリンクでご覧いただけます:
http://jazz-town-tomi.jp/index.php/2020/12/15/special-wine-quartet/
実はコンサートの冒頭、度肝を抜かれたシーンがありました。
それは田沢地区に伝わる木遣りです。
アナウンスなしに舞台に登場したのは、ドレスアップした演奏者ではなく、田沢地域に伝わるハッピ姿の7人の木遣り衆でした。
今井さんが暮らす地域のお世話になっている皆さんの心のこもった木遣りうた。
地域の絆を感じさせる素敵な演出でした。
さらに翌23日(月・祝)は芸術村公園にある梅野記念美術館でサロンコンサートが開催されました。
二胡が中国の楽器ということで、中国茶の体験会と演奏される楽器に触れることができるワークショップも併催されました。
コンサートチケットには美術館への入場券が含まれており、こちらは「絵画×音楽×中国茶」の1日となりました。
多くの人が感動した「音楽とワインのコンサート」プロジェクトの継続が早々に決まりました。
実行委員会の新メンバーが選出され、Web制作やSNSの立ち上げなど2021年に向けての活動がスタートしています。
来年の企画も楽しみです。
参考サイト:https://mikiilee.webnode.jp
しなの鉄道田中駅前にある日帰り温泉施設《ゆうふるTANAKA》で、12月12日(土)第一回「おんせんdeマルシェ」が開催されました。
天然温泉の魅力をより多くの人に伝え、ゆっくり滞在してもらいたいという狙いで、湯楽里館にあるワイン&ビアミュージアムのワインコーナーが設けられ、ワイン&ビアのスタッフが地元ワインをグラスおよびボトルの販売をしました。
施設の料理担当が腕を振るったオードブルプレートも併せて、売り上げは予想以上だったそうです。
「温泉×ワイン」・・・温泉に来た人がマルシェとワインを楽しむ、マルシェに来た人が温泉に入っていくことを期待したコラボイベントです。
ワインのためのイベントは、ワイン好きな人以外の来場が期待できませんが、×(かける)ワインの発想でイベントを組んでいけば、それぞれのパイを増やすことが期待されます。
マイクロワイナリーの集積地である東御市は、地元の皆さまにワインを親しんでいただく手段として、このようなコラボレーションは有効かもしれません。
コンサートの成功の裏では、サンテラスホールのスタッフの皆さまの理解と協力が不可欠でした。
地域のさまざまな人びとが、それぞれの立場で盛り上げていく、このパワーがあれば、コロナ禍を乗り越えていけそうな気がします。