ここ数年、千曲川ワインバレー東地区に、新たな変化が見られます。
そのひとつが、千曲川を挟んだ左岸と右岸のいうカテゴリーです。
すでにメルシャン社のシャトーメルシャン商品群には、「北信左岸シャルドネ」(長野市豊野町)と、「北信右岸シャルドネ」(須坂市、高山村)が存在します。
千曲川ワインバレー東地区のワイン産業を牽引してきたのは、46年の歴史を持つ小諸市のマンズワイン社「小諸ワイナリー」で、その後東御市に2003年の「ヴィラデストワイナリー」が誕生し、2010年「リュードヴァン」、「はすみふぁーむ&ワイナリー」と続き、今や東御市のワイナリー数は、9社となりました。
昨年広域ワイン特区内の坂城町にも、アカデミー1期生の成澤さんの「ヴィーノ・デッラ・ガッタ・サカキ」がオープンしましたが、上述ワイナリーはいずれも千曲川右岸でした。
ところが昨年から、千曲川左岸の東御市八重原地区に飯島さんの「シクロワイナリー」、小諸市御牧ケ原地区にアカデミー1期生の富岡さんの「ジオヒルズワイナリー」が開設され、本年9月21日には上田市丸子地区に、メルシャン社「椀子(まりこ)ワイナリー」が開業します。広域ワイン特区の千曲川左岸に、最初のワイナリーが設立されたのは、2011年青木村の「ファンキーシャトー」でした。
左岸のワイナリー数も、椀子ワイナリーで4社目となります。
千曲川ワインアカデミーの卒業生は、千曲川流域両岸に圃場を求め、特に左岸では、すでに佐久市望月地区、小諸市御牧ケ原地区、立科町、長和町、上田市武石地区、丸子地区、東山地区等に入植し、ぶどう栽培に取り組んでおります。
一方千曲川右岸でも、大規模造成中だった約28haの東御市御堂地区のぶどう団地には、既存の東御市ワイナリーのほかに、アカデミー生3名がJAより農地の分譲を受け、今春より定植を始めました。隣接する小諸市の糠地地区、芝生田地区、滝原地区、菱平地区にも、アカデミー生の入植が続いています。
玉村豊男さんが提唱する、東御市と小諸市の、1000m林道と浅間サンライン沿線地区を楕円でつなぐ《浅間ワインオーバル構想》では、東御市田沢地区、袮津御堂地区、そうして上記の小諸市4地区さらにマンズワイン小諸ワイナリーの主要ヴィンヤードのある、大里/諸地区も、すべてこのエリアに入ります。
《浅間ワインオーバル》内には、すでにヴィンヤード、ワイナリー、温泉/宿泊施設、ゴルフ場、レストラン、チーズ工房、ベーカリー等が存在し、今後も続々とこのエリアに、新規投資が行われようとしております。近い将来千曲川ワインバレー東地区の右岸最大のワインリゾートとなることでしょう。
このように急速に変化する左岸、右岸の変化を見ていると、左岸を代表する今秋のメルシャン社「椀子ワイナリー」の開業が、一段と弾みをつけるのではと期待されます。その証拠に、マンズワイン小諸ワイナリー「収穫祭」(例年2日間で12,000名来場)と、メルシャン椀子ワイナリー初の「椀子マルシェ」が、10月26日(土)、27日(日)の両日同時開催することが決定しました。
千曲川を挟んだ、二大プレミアムワイナリーの収穫祭が、同日開催されることで、一泊二日で秋のワインイベントを楽しむ日本ワインラヴァーが、首都圏からも例年以上に足を運ぶものと想定されます。昨年小諸市が初めて開催したワインイベント「KOMORO WINE DAY」も、今年はマンズ/メルシャンの収穫祭の初日の、10月26日(土)午後から、小諸駅前「停車場ステーション」で開催することが決まりました。小諸市の5つのブランドワインもそこで披露されます。今年から左岸と右岸のテロワールの違いを、本格的にワインで確かめる楽しみが、加わりました。
皆さま、本年はぜひ千曲川ワインバレー東地区にお運びいただき、ご自身の感性で、この変化をお確かめください。お待ちしております。
アルカンヴィーニュフォーラム
「千曲川ワイン倶楽部」
代表 小山 眞一